軽うつ症とうつうつ病はいわゆる”気分障害”です。「うつ病は精神病」ではありません。 確かに広義には精神疾患になるかもしれませんが、むしろ病気ではなく障害と考えて、「うつ病」ではなく「うつ」としたほうがいいという考えもあります。 国際疾病分類でも「気分障害」という言い方がされるようになっています。 「うつ病、というくらいだから精神病なんだ」 ・・・・と思わないほうがいいでしょう。 とくに軽症うつ病(軽うつ)の初期段階は、「気分と体調の不良」というだれにでもある症状です。 普通に生活もできます。 「軽症うつ(軽うつ)」という考え方は「軽症うつ病(軽うつ)」は、笠原嘉氏という精神医学の先生が10年ほど前に提唱したものです。 うつ病は 「内因性」(素質、体質、気質などなんらかの原因が体の内部にあって、いわばひとりでに発生するもの)、 「心因性」(神経性うつ病ともいわれ、精神的なストレスが原因で発生するもの)などに分類されます。 しかし、じっさいのところ、うつ病は様々な原因で起こり、内因性、心因性と簡単に割り切れない部分もあります。 そこで、原因で分類するのではなく、症状の重さによって「軽症うつ病(軽うつ)」「重症うつ病」とわける考え方がでてきたのです。 軽症だからしごともなんとかできます。 辛い気分はあるし、抑うつ感も睡眠障害もある場合が多いのですが、仕事や生活に支障をkたすほどひどくはありません。 本来の(というのもおかしいですが)うつ病は「抑うつ気分」「自殺願望」などが非常に強くあらわれます。 ほかにも 1、悲観的な考え方からなかなか抜け出せない。 2、何をしても(みても)楽しくない。 3、意欲がわかない。 4、自分を否定する。 5、睡眠障害(不眠、過眠、中途覚醒、イヤな夢など)。 6、食欲がない。 7、なんとなく体との具合がよくない(だるさ、めまい、下痢など)。 8、集中力、決断力がなくなる。 9、できるだけ人とあいたくない。 10、原因になっていること(たとえば夫婦間の事情など)がなくなっても気分が好転しない。 といった症状が現れます。 そして重いのです。 ですが、軽症うつ(軽うつ)の場合は、なまじ何とか仕事ができたりするものだから、 「自分は怠けているだけかもしれない」「逃げているだけなんだ」とかえって自分をせめてしまいます。 もちろんまだ「軽症うつ病(軽うつ)」は正式な病名ではありません。 定義や診断基準もまだ確立していないと言っていいでしょう。 しかし、通常のうつ病とは別の病気というわけでもありません。 ただこの「軽症うつ病(軽うつ)」が、なかなかやっかりな病気であることは間違いありません。 それは前述した、10この症状が全部あるわけでなく、3つや4つでしかも軽く、つらいながらもなんとか仕事や生活をこなしていけるからです。 本人も周囲もうつ病だと気づかずに、単なる疲れや軽いストレスだと思って長引かせるのです。 うつ病というより、「気分変調症」といったほうがいいかもしれません。 軽症うつ(軽うつ)だと思って甘くみると長引かせる重度のうつになったときは抗うつ薬、精神安定剤がききますが、 「ちょっとうつ状態が続く」、「軽うつ」程度だとなかなか効かないようです。 投薬治療でうつ病は軽くはなりますが、薬だけでは完治しないのではないかと思います。 私は医者ではありませんので、正確ではないかもしれませんが、「軽症うつ(軽うつ)」は薬だけではなかなか治らない 印象をうけます。 抗うつ薬や精神安定剤は、うつ状態を軽減してくれますが、ストレスそのものをなくしてくれるわけではありません。 症状がかるくなっているにも関わらず、長引く、 今増えている「うつ病」にはそういう矛盾したところがあります。 軽症うつ(軽うつ)が長引く要因は、ある意味で”軽症”故なのかもしれません。 抗うつ薬は、服用をはじめて2週間ほどで効果がでます。 気分はかるくなり、「もう治ったかな」と思います。 しかし、ここでやめてしまうと再発するケースが多いのです。 ---------------------------------------------------------- 心理療法・カウンセリングのオレンジ物語 お気軽にご質問ください→こちら |